学校生活
NEW!
「生きている」歴史を歩く 鎌倉見学会
先日、鎌倉考古学研究所が主催する「生徒のための鎌倉見学会」に、本校の生徒たちが参加しました。他校の生徒も集まり、総勢40名を超える賑やかな顔ぶれで、互いに良い刺激を受ける一日となりました。
材木座の光明寺に集合した一行は、まず境内にて「令和の大改修」の説明を受けました。保存修理の重要性に触れ、さらに境内の石仏や板碑(いたび)の解説を通して、中世の人々の信仰のあり方や、石の種類、彫りの細部に宿る当時のこだわりを学びました。
続いて訪れた材木座海岸では、日本最古の築港遺跡である和賀江島を見学。かつての物流拠点としての姿に想いを馳せながら、海岸で「欠片」を拾うフィールドワークを行いました。生徒たちは10分間夢中で砂浜を探し、考古学の専門家による鑑定を経て、中世の常滑焼の欠片などを手にすることができました。
その後は班別に分かれ、源氏ゆかりの「元八幡(由比若宮)」へ。源頼朝が現在の鶴岡八幡宮へ遷座する以前の、源氏と鎌倉の繋がりの原点を見つめ直しました。
旅の締めくくりは、現在調査が進められている病院・老人ホームの新築工事現場での発掘見学です。埋め戻される前の貴重な遺構を目の当たりにし、イルカの骨や鹿の角を用いた遺物の説明を受けました。歴史の保存と都市開発のバランスという、現代社会が抱える課題についても考えさせられる、まさに「生きている考古学」に触れる貴重な体験となりました。
寒空の下での活動でしたが、教科書を飛び出し、足元から繋がる歴史に触れた半日は、生徒たちにとって学びの意欲を大きく揺さぶる有意義なひとときとなりました。
