高校2年宗教「貿易ゲーム」
高2の宗教の授業は「自分と社会との関わりを考える」という大きなテーマで一年間学習を進めます。
今日は「貿易ゲーム」を行いました。「貿易ゲーム」とは、先進国、発展途上国、後発開発途上国を表すグループ8つのグループに分かれ、それぞれのチームに用意された資源(紙)や道具(ハサミや鉛筆、定規など)を使って製品を作り、できるだけ多くのお金を稼ぐことを競うゲームです。
「平和とは何だろう」という小テーマのもと、「何があったら平和か」また「何がなかったら平和ではないか」など意見交換をしたり、聖書を読んだりして「平和とはただ単に戦争がないことではない」と気づきました。そして、現在、世界が抱える貧困や差別などの問題に目を向けた後、「貿易ゲーム」を行いました。
最初は不平等を目の前に「わたしのグループにはハサミがない!」など呆然としていた生徒たちも、周囲を見渡して「紙を1000円で分けてくれる?」など交渉を進め、次第にどのように交渉し、何を作ればより利益を得ることができるか考え、ゲームに夢中になっていました。
授業の終わりに感想を聞いたところ、「このようにして現代社会の貧富の差が生まれるのだと実感した」、「人間の悪い面が明るみになった気がした」、「貧困から抜け出すことは簡単ではないと気づいた」、「自分たちの国の意見や考えが一致していないと何も始まらないことに気づいた」、「自分だけが豊かになることを目指すのではなく、周囲に目を向けて助け合うことが豊かになる秘訣だと思った」などそれぞれの立場から感じることがあったようです。
ただ机上で勉強するだけでなく、自分たちで頭と身体をフルに使って学ぶことで、私たちが抱える問題がより身近なものとなります。次回の授業では、貿易ゲームで学んだことを現代社会の問題と照らし合わせることを行う予定ですが、この学びを通して、未来を担う生徒たちがよりよい社会を作る一人になることを願っています。