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学校生活

高校2年生 長崎研修旅行に向けて 被爆体験講話

先日、高校2年生を対象に、被爆体験者である長野靖男さんのオンライン講演会を実施しました。これは、長崎研修旅行を間近に控えた生徒たちにとって、現地を訪れる前に平和への意識を高める貴重な機会となりました。
長野さんは、1945年8月9日、わずか2歳で長崎の自宅付近で被爆されました。空襲警報の中、お母様が身を挺して守ってくださったおかげで命は助かったものの、その後の極貧の生活は長野さんの心に深い爪痕を残しました。貧しさが戦争の結果であることを知った幼い長野少年は、「戦争のない平和な社会」を強く願うようになったそうです。卒業後、皮肉にも日本最大の軍需企業に就職した長野さん。平和を希求する思いを公にすることは容易ではなかったにもかかわらず、音楽を通じた平和運動を定年まで貫かれました。その活動の中で、長崎の被爆者・渡辺千恵子さんと出会い、彼女との交流が長野さんの被爆体験を語り継ぐ活動の原点となりました。長野さんが創作された合唱曲「平和の旅」は、今も被爆の語り部として歌い継がれているそうです。
画面越しの講演でしたが、生徒たちはみな、真剣な表情で長野さんのお話に耳を傾けていました。長野さんが語る言葉一つひとつに、戦争の悲惨さと平和への切なる願いが込められているのを感じ取ったのでしょう。中には、涙をこらえながら話を聞く生徒の姿も見られました。
私たちは日頃から、教科書で歴史を学び、戦争の事実を知っています。しかし、長野さんのような体験者から直接お話を伺うことで、戦争が単なる過去の出来事ではなく、今を生きる私たち自身の問題として深く心に響きます。この講演会は、生徒たちが、平和な社会を築くために自分たちが何をすべきか、一人ひとりが主体的に考えるきっかけとなったことでしょう。
今回の学びを胸に、生徒たちは長崎の地を訪れます。被爆の記憶が残る場所で、彼らは長野さんの言葉を思い出し、平和の尊さを改めて噛みしめるに違いありません。この経験が、生徒たちの人生に大きな影響を与え、平和を願う心をさらに強く育んでくれると信じています。