空手と学業、文武両道に挑む
空手と学業、文武両道に挑み、8月に開催された糸洲流国際空手道選手権大会国際大会で準優勝したOさんをご紹介します。
空手は生活の一部だと語るOさん。彼女が空手を続けてきた10年間で最も大変だったのは、小学校6年生から中学校1年生にかけてでした。新型コロナウイルスの影響で試合や練習ができなくなり、空手を続けていた仲間は全員辞めてしまったのです。中学受験と新しい中学校生活に慣れることで精一杯になり、空手を辞めようと考えていたその時、ご両親が彼女を引き止めました。「今まで続けてきたことは、将来必ず価値あるものになる。だから、今はとりあえずでいいから続けてほしい。」そう言って、ご両親は片道2時間かかる道場まで車で送り迎えをし、大きな大会前には、特注の高価な道着まで用意してくれました。ご両親の温かい言葉とサポートが、彼女の空手への情熱を支え続けてきたのです。
空手で培ったのは強さだけではありません。8月の糸洲流国際空手道選手権大会で、決勝戦で対戦したアルゼンチン人の選手と友達になり、Tシャツを交換したり英語で話したりしました。空手の先生からは、日頃から「空手だけでなく、英語も勉強しなさい。英語ができれば世界はもっと広がる。文武両道が大切だ」と教えられていたため、この出会いはまさに、その言葉を体現するものでした。空手を通して、国境を越えた素敵な出会いがあることを実感した瞬間です。
バスケットボール部のキャプテン、そして生徒会の部門長も務める彼女の忙しい日々を支えているのは、隙間時間の活用です。毎週土曜日に部活の後に道場へ通いますが、週に1〜2回しか練習できないため、他の人の何倍も集中して練習に取り組んでいると言います。電車の中や待ち時間は、睡眠か小テストの勉強に充てることを徹底。外出時は、帰り道に図書館に寄って勉強時間を作るように工夫しています。学校の休み時間には小さな宿題を終わらせたり、授業をしっかり聞けるよう予習を済ませたりしています。生徒会や部活動の仕事も時間を決めて行い、勉強がおろそかにならないよう注意を払っています。
他の人より休める時間は少ないかもしれません。しかし、そこに本来はないはずの時間を作り出し、やりたいことを諦めずに続けられるのはとても幸せなことだとOさんは考えています。ご両親や先生、そして自分を支えてくれるすべての人への感謝を忘れずに、これからも空手も勉強も、やりたいことを最後まで楽しみたいと話してくれました。