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学校生活

高校2年生 数学科 研究授業「問い」から生まれる深い学び

先日、高校2年生(文系選択)の「数学B」の授業で、数学科の研究授業が行われました。
今回のテーマは「ベクトルの世界に『かけ算』を定義するなら、どのように定義できるだろう?」という、生徒たちが自ら考え、創り出すことに焦点を当てた探究的なものです。
すでに知っている数の「かけ算」が持つ意味やルール(例えば、「2×3」と「3×2」が同じになる「交換法則」など)を手がかりに、生徒たちは「ベクトル」という新しい世界での「かけ算」を自分たちで定義しようと試みました。ある生徒は、数の「かけ算」を数直線で捉え直す視点から考えを深め、また別の生徒は、図形的な面積として捉える発想を持つなど、多様な視点から「自分なりの定義」を懸命に模索する姿が見られました。
自分の考えを図で示しながら検討する中で、「この定義だと、あのルール(交換法則や分配法則)が成り立たないぞ!」と、自らの考えの限界に気づく生徒もいました。そこから、他の生徒の発想や定義案を積極的に取り入れ、より正しく、使いやすい新しい定義を協力して創り出そうと、活発な議論が展開されました。
この「自分の考えを試す → 課題に気づく → 仲間の知恵も借りて乗り越える」というプロセスこそが、単に先生の解説を聞くだけの授業とは違う、本質的な深い理解へと繋がります。自分たちで新しい概念を「定義する」という主体的な活動を通して、生徒たちは「なぜ?」「どうして?」という疑問を出発点に学ぶことの価値を心から実感できたことでしょう。
本校では、生徒だけでなく教員も共に学びを深める機会を大切にしています。今回の研究授業での成果と課題を活かし、今後も生徒一人ひとりの「問い」を大切にする、主体的な学びを促す授業づくりを進めてまいります。