生徒より
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アルペ難民センターを訪ねて

ごきげんよう。秋らしく肌寒くなり、時には芯まで凍えるような寒さを感じることにもなった10月が過ぎ、皆さまいかがお過ごしでしょうか。今回は、SDGs有志団体のSEEの活動でアルペ難民センターを訪問した様子をご紹介します。
アルペ難民センターは鎌倉市にある施設で、日本に迫害から逃れてきた難民に衣食住や学ぶ機会、孤立を防ぐ交流の場などを提供しています。難民とは、人種、宗教、国籍、政治的な考えや震災などによって、自国にいると迫害を受ける可能性があるため、自国を逃れた人々のことです。
はじめに、アルペ難民センターの方からお話を伺いました。突然ですが、みなさんは日本に逃れてきた難民の現状を知っていますか?実は、日本で難民として認められるのは1%以下。ようやく日本にたどり着いたとしてもホームレスになってしまったり、長い間入管施設に収容されたりと、不安定で厳しい生活が待っています。アルペ難民センターでは、難民申請中のため『仮放免』という在留資格で暮らしている方々が多くいます。彼らはまだ日本政府から難民としては認められていない状況です。難民センターの職員の方に、現場にいるからこその問題点を伺うと、「いつ難民として認められるかわからず、先が見えない不安やもどかしさを感じる」とおっしゃっていました。
では、なぜこのような現状なのでしょうか?それは「日本人の無関心さ」が要因だそうです。日本は表現の自由が保証され、戦争や紛争も起こっていないような比較的安全な国です。ですがそれが当たり前になっているために難民を遠い存在だと感じてしまっていると思います。私自身難民の現状を知らず、この施設を訪れたことで意外と身近にいるのだと気づきました。無関心であることで支援の重要さに気づくことができず、行き過ぎると偏見にまでつながっていきます。私は、まず難民についての正しい知識や現状を知ることが大切なのだと感じました。アルペ難民センターでは、難民についての啓発活動や施設の見学ツアーなどを行っているそうなので、ご興味のある方は参加してみてください。
お話を伺った後、難民センターを見学しました。地域の人と植物を育てる畑や歌を習うホールなどを見て、難民センターの方々の日常を感じることができました。心に残ったことは、入居者の方々と職員の方々の温かい関係性です。互いに顔を合わせると和やかに話していて、まるで家族のようだなと感じました。加えて、入居者自身が祖国の伝統料理を振る舞ったり、センターの整備を手伝っていたりしていて、温かいコミュニティであると感じました。
アルペ難民センターを訪問するということはなかなかない貴重な体験であり、多くのことを学ぶことができました。難民の現状を知り、これからもSEEとして、そして一個人としても難民について考えていけたらなと思っています。
最後までご覧下さりありがとうございました!(高1・Mさん)