高校3年生 学園生活をふりかえって Vol.1
私たち高校3年生は6年間、長い人では幼稚園より15年間このセーラー服と共に育ってまいりました。この私たちの制服の胸元にある白百合の校章には、生徒にやさしさの中にも強固な意志を感じさせる白百合の花のようであってほしいという願いが込められており、全国7ヶ所(函館、盛岡、仙台、九段、湘南、函嶺、八代)には同じく白百合を胸に掲げ切磋琢磨しあう姉妹校の仲間が沢山います。
私が初めて姉妹校という存在を知ったのは幼稚園の頃です。当時私は、仙台白百合学園幼稚園に通っていました。しかし、父の転勤でこちらに転園することとなり動揺していた私に、当時の園長先生は「あなたと同じ制服を着て、あなたと同じように神様に愛されているお友達が日本の遠くにもたくさんいるんですよ、だから大丈夫」と声をかけて下さいました。そしてこちらで初登園の日、園長先生のお言葉通り、同じ制服を着てにこやかに私を受け入れてくれた新しいクラスメイト達の笑顔を見て、とても安心したことをよく覚えています。
それから私は学園の教えの下、私達一人一人がかけがえのない存在なのだと感じながら育ち、中学に上がり姉妹校委員に所属しました。文化祭交流や一年に一度のビデオレターの交換を通して各姉妹校の活動やその思いを知る度に、私たちは離れていても同じ白百合の精神の下、神さまの愛を感じながら、いつか出会う私達の力を必要とする誰かの為に、今出来る精一杯の力で学ぼう、という心はつながっているのだと改めて実感しました。
在学中は、遠方の白百合生にお会いする機会はあまりないかもしれません。しかし、先日私は受験会場で姉妹校生とお会いしてご挨拶をかわし、「お互い頑張ろうね」とお話して緊張を和らげることができました。きっと今後社会に出たら、同じ志を持つまだ見ぬ姉妹校生に出会う機会はもっと増えていくと思います。そして、再び切磋琢磨し支え合うことができるでしょう。
最後に、人格を形成する大切なこの時期にこの学園に通わせてくれた保護者やいつも励まし見守って下さった先生方、沢山の思い出をくれた友人たちに感謝致します。私はこれから学園を巣立ち、幼い頃からの夢を叶える為に医学部に進学します。しかし、私が今後理想の医師像へと邁進していく過程には更なる困難があるでしょう。そんな時こそ、この白百合の校章を胸に積み重ねた湘南白百合学園での日々に誇りを持ち、頑張り抜きたいです。そしてここで培った誠実さや慈しみの心を大切に、良い時も悪い時も惑わされず、信じる道をまっすぐ進んで行かれますようにこれからも日々精進して参りたいと思います。