生徒より
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高校3年生 学園生活をふりかえって Vol.8

この学園で過ごした六年間は、本当に濃い時間でした。そして驚くほどあっという間でした。そのように感じられたのは、きっと学校生活が充実していた証拠だと思います。
私はこの学園で沢山の人に出会いました。その出会いの中で、様々な価値観に触れ、それが自分の価値観が変化するきっかけになったり、一方で、自分の考えが確立することもありました。ここでは、自分の価値観が変化した事で成長に繋がった事を一つ書きたいと思います。
中学3年生の時のことです。私は、音楽コンクールの指揮者をしていました。音楽コンクールというのは、毎年6月に行われるクラス対抗の合唱コンクールです。音楽の授業に加えて、朝と放課後にも生徒のみで練習を重ねます。当時の私は、優勝したいという気持ちが強く、勝つことが1番の目標でした。どうしたら上手くなるのかを考え、クラスの皆んなに共有し、クラス全員で努力を重ねました。にもかかわらず、結果は優勝ではありませんでした。こんなに頑張ったのに、とやりきれない気持ちで教室に戻りました。しかしそこで、クラスメイトの1人が、「こんなに練習が楽しかったのは初めて」と言ってくれたのです。物凄く嬉しい一言でした。それから私は、賞を取ることは結果であって、大切なのはそれまでの過程ではないか、と考えるようになりました。これが、小さな価値観の変化でした。そして次の年から、楽しい、行きたいと思える練習にすることに力を注ぎました。すると自然と、練習に意欲的なクラスメイトが増えていきました。そして高校2年生で最後の音楽コンクール迎えた時、沢山のクラスメイトが、本当に楽しかった、楽しかったからここまで頑張る事が出来たと言ってくれました。その時、やはり自分が2年前考えたことは間違いでは無かったと確信しました。
自分の考えをしっかり持っていながら、自分と異なる価値観を否定せず、多様性を受け入れる事、これが湘南白百合学園の良い特徴だと私は思っています。たわいもない会話で大盛り上がりするクラスメイト、どんなことでも話せる友人、目標に向かって一緒に努力できる仲間、授業での疑問に時間をかけて答えて下さる先生、親身になって悩みを聞いて下さる先生...数えきれない沢山の人との出会いが私を成長させてくれました。この学園でなかったらこのような素敵な友人達や先生方に出会えていないと思うと、本当にこの学園に入って良かったと感じます。
沢山の人に出会い、様々な価値観に触れた中高時代は、私の今後の大きな糧になると思っています。これから私は理科の教師になる夢を目指して理工学部に進学します。大学でさらに自分の視野を広げ、その後教師として、多様性を受け入れる、価値観が否定されないような教育環境を作ることで、中高生の成長の力になれるよう、努力を重ねていきたいと思います。